木地の『箱』部分、完成。
こんばんは、弟です。
昨日道具の手入れを師匠に手直ししてもらったので、刃が切れてとても快適に作業できました。
30代前開きの箱部分が完成したのでアップします。
『箱』とは通称で、御仏壇の内陣を除いた部分です。
よく御仏壇の木地は屋根などの細かい部分が一番難しいと思われがちですが、実は違います。
この箱こそ御仏壇の基礎であり、一番繊細に作らなければいけません。
外見ではわかりませんが、あらゆる木地製品と比べても非常に難しいです。
図面のように頭で覚えればできるわけでなく、目や手触りの感覚がとても重要です。
ですので昨今の木地事情で塗り物である御仏壇に関して、中国等の輸入に頼ることが私には考えられません。
日本で使う御仏壇の基礎を、環境の違う国外で作るのはとても不安です。
大量生産の中で顔の見えない生産者が、丁寧に先を見通した木取りや仕上げをしている保証はどこにあるのでしょうか。
…と、私の悪いクセでついつい熱くなってしまうわけです。。
しかしながら私のこの職への意義は、その点が大きく関わっているので仕方ありません。
誇大広告や執拗な営業も、私はとても嫌いです。
それはお客様の声を今まで多く聞いてきたからというのはもちろんですが、兄も私も先代の父の考えが染みついているのだと思います。
とにかく、良いものづくりをし続けます。
常に、どこよりも強固で末永く美しい御仏壇を目指しております。
阿部仏壇製作所 http://www.ab.auone-net.jp/~abe-bu/index.htm
続きは彫りが出来上がってこないと寸法が出せないので、とりあえず一段落です。