大切な道具④
こんばんは、弟です。
ブログを始めてまだ1週間も経っていないのに、たくさんの方が読んでくださっているようで、とても嬉しいです輦烈
調べたわけではありませんが、御仏壇の職人がブログをやるというのは、珍しいことだと思いますので、普段ではなかなか見れない物が見れたり、新しい発見があったりすると思います裂
そんな内容に関心をもっていただけたら、とてもありがたいです。
さて、今日は木地の道具『ノミ』をご紹介します。
一見シンプルな形ですが、これがかなりの働き者です。
薄く削ったり、粗く削ったり、木地を割ったり、穴を開けたり…。鉋と同じく『鋼(ハガネ)』が切れ味の決め手ですが、鉋ではできない繊細な部分も思い通りの形にすることができます。
私と師匠は鉛筆の芯もノミで削ります。(ちなみに鉛筆は基本的に2Hです)
幅の広さにも多数種類があり、それによって使う箇所が違います。
鉋の刃ほどではないのですが、ノミは幅が狭い物ほど研ぐのが困難です。
正確に言うと、早く研ぎあがるのですが、まっすぐ切れ味の良い勾配(斜面)にすることが難しいのです。
刃物の研ぎにはコツがあります。
それは刃物(用途)によっても様々なのですが、基本的に砥石に刃を当て、角度を決めたら平行に往復して研がなければなりません。
刃が狭いノミは安定感がないので左右上下に転んでしまい、斜面が丸くなってしまうのです。
こうなると木地に向けて突いた時にキレが悪く、突き跡もその分粗くなります。
木地師の修行はまず最初に道具を維持できるかどうかです。
そして御仏壇に関してはお店に売ってない道具が数多くあります。
それはどうするか。
そう、自分で作るしかありません。
木地を作る前に道具を作ることが先なのです。
…気が遠くなりますよね秊怜
気持ちはいつも人の3倍努力しようと思っているのですが、やはり体は一つ。
何かの才能に長けている人間ではないので、空回りが多いです聯笑
それでもお客様をはじめ、家族や職人のみなさんに支えられてなんとか毎日を過ごすことができています。
この仕事を続ける限り、一生高級車も乗れませんし豪邸に住むこともできませんが、私はこの環境で好きな仕事ができて、とても恵まれていると感じています。
…道具の話だったのに、ついつい長くなってしまいました寧
悪いクセです。
どうか懲りずに見てやってください秊嶺
それにくらべ兄の投稿は…短い。
見習います(笑
それではまた明日、お会いしましょう(^^)ノ
...弟より
阿部仏壇製作所 http://www.ab.auone-net.jp/~abe-bu/index.htm
使い込まれて短くなったノミたち。