衣食住と御仏壇
こんばんは、弟です。
今日の新潟は風が強い。
しかし、午前中に行った納品では、やはり晴れました。
これでまた一つ、胸をなで下ろすことができました。
一つ一つ緊張します。
きっとこれから多く経験を積んでも緊張するでしょう。
「慣れに任せず、ゆっくりと慎重に」を、当日は一番心がけます。
納めてご説明させて頂くまでが、ものづくりです。
話は変わりますが、衣食住という言葉があります。
人間が生きるために必要な要素のことです。
ファッション、食事、マイホーム。
一概には言えませんが、生活する上で必要な物にこだわりたくなるのは、とても素直に納得できます。
では、御仏壇はどうでしょう。
衣食住、どこにも当てはまりそうにありません。
しかし、当社に来て頂くお客様は、それに対して輸入品より高額な予算を念頭に置かれています。
御仏壇を必要とするお客様には、皆様それぞれの考えがあり、異なります。
仏教に対して信心深い方、亡くなったご家族にできる限り尽くしたいと願う方、あればいいのでできるだけ安く部屋に合わせたいという方、それら全てを含めた考えの方。
私は御仏壇に対するお考えに、一つも差別はありません。
できるだけ、お客様のご要望にお応えするのが私の仕事です。
話は逸れましたが、私の緊張の理由は、そこにあるのではないかと思うのです。
少なくとも、物への愛着とはまた違う、人の心に関した製品だということです。
そして決して安い物ではありません。
上手く言えませんが、時々自分がこの製品を作ることが恐れ多くなり、臆病になってしまうことがあります。
だからこそ、最近の食品業界ではないですが、御仏壇において偽ったり人の足下を見るようなやり方には強い嫌悪感がありますし、たとえ時代の流れに逆らってしまっても、正直な会社でありたいのです。
正直、このご時世に正々堂々と自分のやり方を貫くのは、とても厳しいです。
残念ながら、真面目に不器用に仕事を続けてきた会社が、次々と店終いしているという話も耳にします。
消費者に必要な情報が行き届いていないだけで、フタを開ければ本当は消費者が求めていない会社ばかりが残ってしまうようなことがあったら、売り手にも買い手にも本末転倒な結果です。
「お前が偉そうなことを言うな」と言われれば返す言葉がありませんが、、細く長く営んでいける会社作りを目指していこうと思います。
私はただただ、新潟のお客様が、新潟で作った御仏壇を必要としてくださることが嬉しいです。
…今日も長文になってしまいました。
私の独り言につき合って頂いて、どうもありがとうございました。
下の写真は、本文とは関係ないですが、私の好きな管足経机(朱)です。
今日はこんなところで、また明日お会いしましょう(^^)ノ
阿部仏壇製作所 http://www.ab.auone-net.jp/~abe-bu/index.htm
これは既製品ですが、やはり国産は塗りが丁寧で美しいです。