憤りを覚えます。
こんにちは、弟です。
今日は興味深い記事があったのでご紹介します。
記事の内容は『海外産の仏壇のシェア』についてです。
この件に関しては業界では暗黙の了解で、随分以前から知られていました。
実際は7割以上と私は思っています。
しかし私が気になるのはシェアのことではなく、仏壇店が何の説明も無しにお客様に提供していることです。
食品や建築などの業界では厳しく罰せられることも、仏壇業界ではまかり通ります。
現時点では無法地帯と言っても過言ではありません。
確かにお仏壇は生活の必需品ではないのかもしれません。
ただの置物や飾りと思う方がいても、不自然なことではありません。
しかし一方である人たちにとっては、かけがえのないものです。
新潟で売られている仏壇が、全て新潟産と思い込んでいる人も少なくありません。
そもそも『新潟産』の明確な基準すら定かではないのです。
以前このような方がいました。
「私が買った仏壇は新潟の職人が丹精込めて作ったものだ。」
「仏壇屋さんがそう説明してくれたから、末代まで大切にしたい。」
その説明には矛盾が多く、私はすぐに海外産だと気づきました。
しかし当然のこと、ご本人には伝えていません。
私に他人様の心のよりどころを汚す権利はありません。
とても切ない気持ちになりました。
これは氷山の一角です。
同じような方と何度もお会いしたことがあります。
その度に同じ憤りを覚えています。
この職に就いた頃、ある大手の仏壇店に勉強のため行ったことがあります。
そこで現状を知りたく、店員の方にいくつか質問をしました。
上司の方をを呼んでもらい、返ってきた答えは滅茶苦茶なものでした。
「そんなことでいいんだ…」それが当時の私の率直な感想です。
それからというもの、私は守りに徹しています。
この会社だけは当たり前のことを守らなければと。
当社は私自身が作った会社ではありません。
仏壇木地師だった先代の父親の意志があってこその会社です。
時代に合わせて様々な新しい取り組みはさせてもらいますが、根底にあるものを崩すくらいなら当社は無価値も同然です。
あまのじゃくな私は、当たり前のことすらできないこの業界で、苦しくても消える寸前まであがいてやろうと心に決めています。
阿部仏壇製作所 http://www.ab.auone-net.jp/~abe-bu/index.htm
KOUGI 木の手作り雑貨 http://kougi.cart.fc2.com/
記事のURL→http://otona.yomiuri.co.jp/news/news110203_01.htm